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カイガラムシ その2

みなさん、剪定・誘引作業は進んでいますか?
年末の忙しい時ですが、バラにかまけている時間があることを祈ります ^-^

枝葉を整理するついでに、カイガラムシを退治しましょう。
今なら芽が休んでいるので、ブラシでこすっても平気です。
枝の裏側や付け根、葉柄付近にも潜んでいますので
見えにくいところこそ、念入りに落としてくださいね。

ブラシでこすり落とした後に、マシン油を撒いていただくと更にいいです。
いろんな薬がカイガラムシに効くと表記してありますが、
そのほとんどは発生初期か若齢幼虫にしか効きません。
それに比べてマシン油は、油でコーティングして窒息させるものですので
ステージ問わず効果が期待できます。

「付いてたって枯れないでしょう?」というご意見もありますが。
試しにきれいに落としてみてください。
その後の生育がまったく違うことに気付かれると思います。

さて今日は。
カイガラムシの生態を、米山伸吾先生の書かれた本を参考に
少し詳しく書いてみようと思います。
「どうみても虫には見えない」とか「足もないのにどうやって移動して繁殖するの?」
などなど、よく目にするけれど、意外と知らないコヤツたち。

バラシロカイガラムシの生育サイクルは・・・

ロウ質の殻の下に、虫がいる
   ↓
殻の下で産卵し卵でいっぱいになると(一匹で数百個も産みます)
   ↓
幼虫が孵化し四方に散らばっていく
(この時期のみ足があって移動できます)
   ↓
気に入った場所を見つけると、口ばしを植物に突き刺して汁を吸う
(一旦腰を落ち着けると、再度移動することはありません)
   ↓
雌の幼虫はやがてロウで覆われ、最初に戻って繰り返し
雄は白色の細長いロウの塊になり、その中で蛹に
   ↓
雄の成虫は、小さなハエのような虫で、雌を求めて飛び回る

という感じです。
肉眼では見えませんけれども、確実に樹液を吸われているのですね~

若齢幼虫が這い出す時期を簡単に見つける方法、と
米山先生が紹介してくださっているのは
半月ごとにムシをひっくり返してチェックし、中に卵が詰まっていたら
それから10日後位に薬を撒くというやり方です。
どうも私には出来そうにないですが(笑)、日にちを忘れずに出来る方は
試してみてくださいね。

発生を防ぐポイントは。
まずは環境を整える。日当たり、風通し、土壌。
砂質土壌や極端に乾燥する場所では発生が多いように思います。

そして壁際や、何か風通しや日当たりを
遮るものの近くに植えている場合も
表からは見えにくい裏側に発生しやすいです。

カイガラムシを避けたいのであれば
そういった場所には、「植えない」「置かない」のが基本です。

バラが弱ってくると、どうしても狙われやすくなりますので、
まずは健康に育てることを心がけてください。

そして、見つけたらこまめにこすり落とす。
薬を撒いても、なかなか自然には落ちませんので
どちらにしても落とすという作業は必要です。

排気ガスが多いところでは、敵が少ないので発生しやすいという意見もあります。
道路の中央分離帯に植わっている植物が、カイガラムシで
真っ白になっているのを見たことある方もいらっしゃるでしょう。

ちなみにカイガラムシの天敵は、テントウムシ(キラ~ン☆)や寄生蜂だそうです。

カイガラムシの写真なんて、あえて見たくないですもんねぇ
お口直しにバラの写真を。ポール・セザンヌです♪
カイガラムシ その2_c0140714_22413583.jpg

by weekendsladybird | 2010-12-28 22:48 | Comments(0)
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