ゴールデンウィークはゆっくり出来ましたか?
今年は新型インフルエンザで大騒ぎで、 海外に行くのを控えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ちょっと騒ぎすぎな感じもしますが・・・; このところ、薬散に関する問い合わせを多くいただきます。 そこで、今日はちょっと詳しく薬散のお話を。 ******************************** 追記 この記事を見ると、バラを育てるには一年中薬散をしなくてはいけないと 勘違いする方がいるようなので、補足です。 これは私のやり方ですが、薬をまくのは基本的に葉があるときです。 特に葉が出たてで柔らかい春を中心に。 夏は気温が高いのでまきませんし 秋は気温が低くなってきたら、病気が出ていてもまきません。 冬?以前は石灰硫黄合剤やマシン油を使うこともありましたが 今は全く使っていません。 その理由は、やらなくても大差ないからです。 殺菌剤をまけば、当然のことながら有用菌もいなくなってしまいます。 病原菌に耐性がついて、肝心なときに効かなくなりますし。 苗を買って植え付けて、何年も経つのに いつまで経っても病気が多発するときは、 薬だけの対処では改善できないということです。 別の対策を考えるとか、育て方、場所の環境を改善する等して 柔軟に対応しましょう。 やたらと薬をまいているところは、かえって病気も多い気がします。 追記ここまで ************************************ 私がお客様のお宅に伺ったときよく見かける薬剤は、 サプロール、ダコニール、オルトラン等です。 前の二つは殺菌剤、オルトランは殺虫剤ですね。 サプロールは主にウドンコ病、黒星病、サビ病に、 ダコニールは幅広い糸状菌類と根こぶ病対策の薬です。 そして、「サプロールは効くけど、ダコニールはあまり効かない」 という話を耳にします。 なぜダコニールは効かないか? それは、この薬は予防薬だからなのです。 治療効果はほとんどありませんので 病気が出てから散布しても、効果は期待できないのです。 また、サプロールは予防・治療効果ともにありますが、 薬剤耐性がつきやすいので、何度も使うと効果がなくなってしまいます。 ですので普段は予防薬を散布し、それでも病害が出てしまったときのために 切り札としてとっておく薬なんですね。 では、切り札のサプロールも効かなくなってしまったらどうするか。 成分の違う薬を使うことになりますが、治療薬はどれも耐性が付きやすいので 同じ使い方をしていては、またすぐに効かなくなります。 そうして、違う薬、新しい薬、と、次から次へさまようことになってしまいます。 これでは、使えない薬が増えるばかりで病気は一向に治まらない・・・という 悪循環に陥ってしまいますね。 また、それぞれの病原菌に適した薬を使わないと、 効果は期待できないので注意してください。 たとえば、サプロールは病気の治療薬ですが ベト病や立ち枯れ病などに効果はありません。 ですので、何の病気にかかっているのか、またはかかりそうなのか、 という判断はとても大切ですね。 まず第一の予防対策は、病気にかかりにくいように元気に育てることです。 日当たり、風通し、土壌、水の管理にできるだけ気をつけます。 最近は、活力剤や天然成分由来のいろんな液体(笑)、 いい菌を増やすような資材もたくさん出ていますので そういうものを利用するのもいいと思います。 それでも病原菌が好む状況は防ぎきれませんので、適期に予防をします。 予防薬は、銅剤や硫黄剤、塩素系などの耐性のつきにくいものを4~5種類 ローテーションで使うのがおすすめです。 一般の園芸店でも売られていて、普段使える予防剤をいくつかあげてみます。 銅剤 サンヨール、サンボルドー 硫黄剤 ダイセン類、エムダイファー 塩素系 ダコニール、オーソサイド ※気温や株の状態で薬害が出てしまう場合もありますので、 散布する際は十分に気をつけてください。 基本的に、気温が高いときや葉芽が柔らかいときなどは特に注意が必要です。 ※オーソサイドは、芝や球根の消毒用として販売されていますが、 成分はキャプタンなのでベト病、灰カビ、黒点病にも効果が期待できます。 (参考文献:新版ピシャッと効かせる農薬便利帳) こうみると、なんだか大変だなぁ~という印象? そうなんです、だから私の仕事も需要があるのデス。 ははは。 これは私の経験ですが。 冬にきちんと植替えや施肥、剪定をして、環境もそれほど悪くなく なおかつ株もある程度育っていれば、 自然農薬と言われるものだけでも、かなりいい線まで防除できると思います。 (モチロン、気が向いたときにやるだけでは難しいですヨ) 普段からよくバラを見ていれば 植物の変化に気付くことが出来るようになると思います。 そのちょっとの変化を見逃さず、何かしらの手を打つというのが 減農薬のポイントではないかと思います。 もっとも、病気の場合は目に見えてからではやや遅いんですが・・(笑) 花が咲くまで、そして梅雨と夏越し、台風対策などなど 気をつけるお手入れポイントはたくさんあります。 毎日の暮らしの負担にならない程度に、楽しんでバラを育ててくださいね。 *********************************** 追記その2 紆余曲折ありましたが、私達はバラに化学農薬を散布することから卒業しました そこに至った心境を記事にしてあります。 よかったら覗いてみてね^^ ↓ ↓ ↓
by weekendsladybird
| 2009-05-07 11:31
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