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アオイラガ

えー、あまり気持ちのいい写真ではないと思いますが。
アオイラガ(Parasa consocia)の終齢幼虫と思われる写真が撮れました。
すんごい棘だけど、色は綺麗101.png

類似種にヒロヘリアオイラガ(Parasa lepida)というのもいて
なぜかこちらの方が有名な気がしますが
見分けるポイントは、棘の色と全体の形です。

アオイラガは棘の先が黒く、棘が大きく立体的。
ヒロヘリの方は、ぽってりとナマコ状な感じです。
・・・だと思います(笑)。

(と言うのは、ネットで学名で調べても
どっちがどうか、ちょっとよく分からないのです。
これらが別種なのは間違いありません。
でも、私が持ってるイモムシの本には
ヒロヘリのページにアオイラガの写真が載ってます。
どっちなのさ??)

だいぶ以前にイラガの記事を書いたのですが、
見直してみると写真がイマイチで。

発生初期に見つけられれば、
透明になった葉がイラガの目印になるのですが
幼虫が大きくなってくると、そうもいきません。
アオイラガ_c0140714_20143592.jpg
この葉、どうです?
ぱっと見は虫がいるのに気付けませんが
裏にはこんなのがいました122.png140.png145.png
アオイラガ_c0140714_20102760.jpg
でかーい。かんべーん。
最初は葉の縁ギリギリにいて、横に移動しながらもりもり食べていました。
異変を感じて、ちょっと後退りしています。

こんなのが10匹ほど、通路脇に植わったバラに付いていました149.png153.png
危ない危ない。刺されなくてよかったよ。

この時期は、刺す虫も多いです。
わさわさ茂った植物の間をすり抜けるようなときや
草取りなどで下に潜ったりするときには
くれぐれもご注意くださいね。

# by weekendsladybird | 2022-07-21 21:31 | Comments(0)

ジュランビルのウドンコ病 克服できました♪

フランソワズ・ジュランビルは
ウドンコ病にかかりやすい特性のあるバラです。
春に出た新しい枝葉も、あっという間に
よれよれと真っ白になってしまいがち。

そのジュランビルが、農薬を使わずに
ウドンコ病を克服することが出来ました110.png

薬の代わりに使ったのは、有用菌の混合液です。
使う菌の種類や濃度は、バラの状態を見て調整しています。
ジュランビルのウドンコ病 克服できました♪_c0140714_23285930.jpg
見てください、このツヤツヤした美しい姿を。
(白く見えるのは光です。照葉なので)

2020年から無農薬に切り替えて、年に2~3回混合液を噴霧しています。
たったそれだけの頻度で、この威力。

写真は2022年5月5日のものです。
ちなみに去年の6月以降、何も噴霧していません。
ほぼ一年無散布という状況でも、こんなに健康113.png

有用菌と病原菌のバランスが上手く取れているのだと思います。

ウドンコ病よ、サヨウナラ~~165.png


# by weekendsladybird | 2022-05-12 23:58 | Comments(0)

バラの根頭がん腫病、基本はそのまま様子見です

バラによくある瘤の病気といえば
バラ根頭がん腫病が知られていると思います。
株元にボコボコした瘤ができ、生長が鈍る病気です。

この病気に関して、様々な意見がありますが
実のところよく分かっていない、
というのが現状ではないかと思います。

随分前ですが、植物病理学の先生に聞いた話では
主要食糧となるような植物以外に関しては
国が研究に力を入れるわけはないし、
バラの根頭がん腫病の研究は
今後も進まないだろうとのご意見でした。
まぁ、そりゃそうなりますよね。

病気を引き起こす原因となっている菌の名前を
ネットで見かけたりもしますが、
果たしてその菌だけが原因なのか、ちょっとよくわかりません。
そうだとしても、薬ないんだし。
あっても使うかわからないけど。

ウィルスが原因ならば、取り除くことは出来ないのですから
もう名前とか、そんなのどうでもいいというか・・・128.png

ガーデナーとしましては、このような場合
現状にどう対処するかというところが
主な焦点になってきます。

よく見聞きするのは

根頭がん腫は感染力が強く他のバラにうつってしまうので
見つけ次第直ちに抜いて焼却処分しなくてはいけない、とか

一度がん腫が出た場所には、もうバラを植えない方がいい、とか

市場に出回っているバラ苗の多くは
症状が出ていないだけで既にがん腫に侵されている状態だ、とか

ちょっとちょっと・・・119.pngと思うような話が
まことしやかに蔓延っています。

わたしはバラ苗の生産者ではありません。
主に趣味で育てているバラのお世話をするのが仕事です。
その立場からの意見ではありますが、

「瘤の病気にかかっていたって別にいいんじゃない?」
と思っています。

そりゃあ健康なバラと比べれば生長は鈍くなります。
でも、他の株にすぐに伝染するというのは
違うんじゃないの?と思います。

庭に植わっているのであれば
むしろ、伝染はしないと言ってもいいくらい

これまで見てきて、がん腫にかかった株の近くのバラに
どんどん感染ってしまった、ということは一度もありません。

発症するとやがてその枝は枯れる、という説明も目にしますが
そもそもバラの枝はいずれ枯れるものです。

ただまぁ、見た目の問題というのはあると思います。
いつでも若々しく元気にきれいでいて
花をたくさん咲かせてもらいたい、と望むのが
人間というものなのかもしれません106.png

今日は画像多めでお届けします。
まずは、かなりがん腫が進行した状態の株元です。
カミキリの被害も複数回受けています。あぁ痛々しい135.png140.png
バラの根頭がん腫病、基本はそのまま様子見です_c0140714_18103071.jpg
株元はこんな状態で5年以上経ちます。
いやもっとだな。10年とかなるかも?
とにかく忘れるくらい以前からコブ持ち、というバラです。

でもまだ枯れませんし、花も咲かせています。
もちろん1~1.5m程離れた周辺の株に病気は出ていません。

バラの根頭がん腫病、基本はそのまま様子見です_c0140714_18085788.jpg
上の写真と同じ株の、枝の途中です。
節の部分にも瘤が出来ています。
軽く触って取れるような部分は取りますが、刃物は使いません。
生きていない部分だけを落とす感じです。

これも根頭がん腫と呼んでいいものか、ちょっとギモンですが。
根っこ付近じゃないから。
節からは根が出やすいことも、何か関係があるのかもしれません。

品種の特性上、シュートが出にくいので
新しい枝は上の方のみという感じですね。

バラの根頭がん腫病、基本はそのまま様子見です_c0140714_18092270.jpg
これはツルバラです。
枝を長ーーく伸ばして誘引しているので、
古くなった部分に負担がかかっているのが見て取れます。
節という節がポコポコ膨らんで。

この病気(もしくは生理現象?)が何なのかということは
あまり大切ではないので、コブが出ている状態だ
ということを重視しています。

こうなったときにどうするか、ですか?
基本的にそのままです。
枯れた小枝などは取り除き、カイガラムシ等は落とします。

でもコブを削ったりはしません。
病原菌がコブに集中しているわけではないですし
傷口を大きくするだけだと思うからです。

これは、バラ癌腫のこぶの病理検査をした方がいまして
その結果、こぶからは病気の原因になりそうなものは何も出なかった
というのが根拠です。

いよいよ葉も出せなくなったら、冬に枝ごと落として入れ替えをします。

バラの根頭がん腫病、基本はそのまま様子見です_c0140714_18093815.jpg
これなんてもう、初々しささえ感じてしまう106.png129.png
枝に対してかなりな大きさ!
バラの根頭がん腫病、基本はそのまま様子見です_c0140714_18095131.jpg
上の写真のコブを反対側から見たところ。
真ん中部分だけ枝にくっついています。
泡が溢れるように大きくなっているみたい。
大きくなるスピードがかなり早いようです。

こういうタイプのコブは、古くなればボロボロと崩れるように取れてきます。
枝が参るのが先か、コブが落ちるのが先か。

こういうことがあるので、普段からバラの様子に目を配り
枝を更新させておくことがとても大切なのです。
新しい枝を出せなくなる程弱ってからでは
手遅れになってしまう確率が上がります。

ご参考までに
よろしければ御覧ください110.png

# by weekendsladybird | 2022-04-27 21:00 | Comments(0)

ドロバチ

皆さん、ドロバチって聞いたことあるでしょうか。
ドロバチ科の昆虫の総称で、泥で巣を作る蜂です。

こんな感じで、家の壁などを利用します。
土で出来たオカリナみたい 102.png 169.png
ドロバチ_c0140714_00044161.jpg
親はそれぞれの部屋に幼虫が食べるための餌(イモムシ)を入れ
卵を産み付けて穴を塞ぎます。
この巣は穴があいているので、もう中は空っぽです。
子供たちは無事に巣立ったみたい165.png109.png

ドロバチは種類がたくさんいますが、
日本では50~60種ほど見られるようです。
トックリバチはドロバチの一種ですね。
巣の形が徳利みたいなのでこの名前が付いています。

種類によっては、写真の巣のように表面に穴はなく、
下向きのパイプ状の出口があるものも。

気に入った場所だと、毎年訪れて
巣を修復しながら何年も同じ巣を使うこともあるようです。

性質は温厚で、何もしなければ襲ってくる可能性は低いです。
通常の蜂と違い、群れは作らずに単独で行動しますので
それほど怖がる必要はありません。

蜂の見た目は、わりと細身なのが特徴です。
腰がキュッとくびれていて、黒に黄色の筋が入っています。

ドロバチの写真が沢山載っているので、
岐阜聖徳学園大学ドロバチ図鑑のリンクを貼らせてもらいまーす^^

蜂は虫を捕獲してくれますから、
バラを育てている私達にとってはありがたい存在ですね110.png



# by weekendsladybird | 2022-04-20 22:45 | Comments(0)

バラの病気は、状態を教えてくれるメッセージ

ここ数年、コロナ問題で翻弄された感がありますが。
この出来事から、皆さんはどんなことを感じたでしょうか。

どんなに気をつけても
どれだけ対策をしても。

かかるときは、かかってしまう。

どれだけ研究が進んでも
解明しきれないことも、ある。

常識とされていた対策も
実はあまり効果がないとわかったり

想定外のことが起こって
これまで見たこともないものが出現したり。

感染していても発症しなければ自覚すらなく
何のダメージもないこと。

回復することもあれば、そうでないこともあり
治癒するまでにかかる時間もまちまち。

その人の健康状態や年齢、普段の生活環境等によっても
重症化したり軽症で済んだりする。

・・・。
・・・。

これって全部、バラの病気と同じなのです。
私は、人もバラも同じだなぁ、と思ったりしていました。

バラの黒星病に効く治療薬は、未だにありません。
もしこれが完成したら、
農薬会社はさぞかし儲かるでしょうが
販売されていないということは
どうしてもつくれない理由があるのだろうと思います。

黒星病の予防対策・対処法についても
これをすれば防げる治せるという方法は、確立されていません。
薬すらないことから考えても、それは明白なわけで・・・。
ですから、皆さん試行錯誤しているんですよね。

あれが良さそうだから試してみるかな。
去年こうだったから、今年はこうしてみよう。

それらをすべてひっくるめたのが、
楽しんで、そして愛情を持ってバラを育てるということです。
その試行錯誤やバラからの返事を楽しめるかどうか
(まるで子育てと同じようです;)。

ご自分がどのようにバラと向き合い育てるかということを
考えてみたことはおありでしょうか?110.png
ご自分のバラを、日々どんな心持ちで育てたいか。

いまはこういったことを考えるのに
いいタイミングなのではないかな、という気がします。
バラの病気は、状態を教えてくれるメッセージ_c0140714_16574775.jpg
もちろん人の考え方はそれぞれですし
育て方に正解があるわけでもありません。

これぞ正しいやり方、みたいなものは無いですし
普段の暮らしで、どんなことに時間を使えるかというのも
人によってまったく違いますしね。

私は普段バラと接していて、元気に育っていないときには
なにかそのバラが気に入らない原因があるのだろうと思うのです。

その品種が持つ本来の姿にならないということは
何かしら我慢を強いていたり、ダメージがあったりするということです。
言葉を話さないバラは、病気や生育不良という形で
それを教えてくれているのです。

同じような生育条件でも、病気が出たり出なかったりするのは
それぞれのバラの健康状態によるところも大きいと思います。
弱り気味だと、病虫害も出やすいです。

また、すべての原因を病原菌のせいにして
それを根絶しようとするのにも違和感を覚えます。

人の立場からだけ考えて、気に入らないものは完全に排除するなんて。
そんなことが可能でしょうか。
そうすることで発生してしまう弊害もあるでしょうに。

さまざまなものと調和が保てていないから、
無理が出たり有用菌が減ったりして
発症してしまうのではないでしょうか。
多様な菌が、いたるところにいるのが通常なのでは。

わたしも以前は「嫌だけど、仕事だし仕方がない」と
葛藤を繰り返しながらも農薬を噴霧していました。

でもやめると決心し、それを実行に移してからは
より穏やかな気持でバラと向き合い、日々を過ごせるようになりました。

敵は、いないのです。
自分でそう思い込んでいるだけ。
もしくは、そう思わされてきただけ。

病気は、敵ではありません。
バラと人の間を取り持ち、ヒントをくれる
メッセンジャーのようなものといえばいいでしょうか。

目の敵にして排除することに心血を注ぐよりも
見方を少し変えて、相手の存在を認め
共存していく道を探る。

これって人間関係を良好にしたいときにも
同じことが言えますよね。

ほらやっぱり、人もバラも同じでーす109.png113.png102.png


# by weekendsladybird | 2022-03-27 20:19 | Comments(0)